ビールは関節の変形リスクを高める?かもしれない
イギリスのノッティンガム大学の研究者が医学雑誌に発表した記事によると、ビールは関節の変形症が起きるリスクを高めるそうです。
この研究では、股関節や膝関節の変形があると診断された人約2,000人と、変形がない人約900人を対象にアンケートを行い、これまでの人生での食生活や飲料の内容を調べました。
結果、ビールを飲む習慣がない人を基準に、1周間に約300mlのビールを20杯以上飲むという人を比較すると、膝関節は1.93倍、股関節は2.15倍変形症の羅患率が高まるということが分かりました。
と同時に、1周間に7杯以下飲む人は、飲まない人よりも羅患率が低くなっていることも分かっています。また、ワインを飲む習慣がある人の羅患率も飲まない人より低くなっていたとのこと。コーヒーやお茶などノンアルコール飲料の場合は変化はありませんでした。
この調査は、単にアンケートの集計から数を割り出したに過ぎません。ゆえに、ビールの何が関節変形のリスクを高めているかについては不明です。ましてや少量のビール飲用や、ワインがどうして変形症の羅患率を下げているかについてもわかっていません。
ですから、この研究結果は「そういうサンプルがとれました」という報告以上の価値はないですね。
ビールにはプリン体が多く含まれているので、飲み過ぎは痛風のリスクが高くなることは知られています。痛風では破骨細胞の活動が活発になって関節の変形を起こすことも知られているので、或いはそうしたことが関係しているかもしれません。しかし、これは科学的・医学的な研究によって明確な因果関係が確かめられるまでは信用できることではありません。
いずれにしても、飲み過ぎは控え、食生活に節度を持つほうがいいことは今更言うまでもないことです。