イスラエルで青銅器時代のワインセラーが発見される

イスラエルのワインというとゴラン・ハイツ・ワイナリー「Yarden」が世界的にも有名です。

そのイスラエルで2013年より開始された発掘プロジェクトにより、紀元前の遺跡から「ワインセラー」とみられる貯蔵庫が発掘されました。

この遺跡は1980年代にはすでに知られていたもので、紀元前1700年~紀元前1600年ごろにかけて、イスラエルの先住民族・カナン人が建造したものだと言われている宮殿です。

2013年より、アメリカ・イスラエルの共同発掘チームが発掘調査を開始。宮殿遺跡の中庭を掘り下げると地下室が現れ、そこに40個の壺が発見されました。

発見当初、この壺には何が貯蔵されていたのかわかりませんでしたが、アメリカ・ブランダイス大学の考古学者・ドクター・コーが壺内部の有機物を分析した結果、ワインに含まれる物質が見つかり、この壺がワインを貯蔵するものであったことがわかりました。

このワイン蔵は、イスラエル周辺地域で行われた発掘調査で発見されたものの中でも最古と言えるものです。

40個の壺全てを合わせた貯蔵量はおよそ2000リットル。これを現代のワインの瓶に詰めると3000本にもなります。

ドクター・コーによると、宮殿が使われていた当時に地域にワインが配給されていた形跡がないため、この壺は宮殿の主が収集していた権力の象徴ではないかということです。

また、ドクター・コーの分析によると、蜂蜜、ミント、シナモン、ジュニパーベリーなどの成分も含まれていたことがわかりました。これはワインの添加物として用いられたもので、古代エジプトの薬用ワインの成分とも共通しています。

40個の壺から出た成分は全て同じであったため、全て同じ醸造所で生産されたことも分かりました。当時既にワインがある程度の量産をされていたことがうかがわれます。

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