日本のワインは世界で戦えるか?山梨県でワイン技術者養成プログラムが開始
日本国内でワイン生産といえばまず挙がるのが山梨県。ブドウ生産数では日本一で、80か所ものワイナリーがあります。山梨県のワインはフランス人が認めるほど品質が高く、2014年にはイギリスのワイン品評会で甲府市のワインが金賞を受賞しました。
山梨県のワインづくりは、明治時代に端を発するもので、すでに100年以上の歴史を持ちます。ブドウ生産に適した気候風土でもあり、ワインの品質が向上していっているのもうなづけるところ。今後世界的にも山梨県のワインは注目されていくでしょう。
そんな山梨県でワインの生産技術者を養成しようというプログラムが2015年より始まります。これは山梨大学のワイン化学研究センターが計画している「ワインフロンティアリーダー養成プログラム」。文科省の助成事業としても採択されています。
このプログラムでは、単なる醸造技術のみならず、ブドウ栽培や料理に合うワインの研究をするソムリエの知識、ワインボトルのラベルデザイン、あるいはワインに関わる法制度など多岐にわたった講義が行われる予定。
対象となるのはブドウ栽培、ワイン醸造などに2年以上従事した人で、定員は5名という狭き門です。
同ワイン化学研究センターの農学博士で醸造微生物学の専門家・柳田藤寿教授がプログラムを担当する他、プロのソムリエの招聘も予定されており、さらにはワイン醸造やワインマーケティングなどの学科があり、世界最大のワインリサーチセンターを持つオーストラリアのアデレード大学への短期研修も計画されています。
1年間で実習も含めた140時間の講義が行われ、1年後の修了試験に合格した者には「ワイン科学士」の称号があたえられます。同プログラムが目指しているのは「世界で戦える人材」です。