いつの日か最高に美味しいワインを味わいたいあなたへ。ワインの熟成と保存の条件とは
ワインには、ボジョレー・ヌーボーのように早めに飲んだ方がよいワインもあれば、ヴィンテージワインのように何年も熟成させた方が味わい深くなるものもあります。
しかし、ワインの熟成については、よほどワイン好きの人でなければ深く考える機会はないと思います。
なぜなら多くの人々にとって、ワインはレストランで飲むもの、またはワインショップで購入してその日のうちに数人で飲みきってしまうものだからです。
でも、気になります。なぜワインは熟成させると味が良くなるのか。
そして、低価格で売られているものと、一体何が違うのでしょう。
どんなワインが熟成に向いているのか
大抵のワインは、ビン詰めから2年以内に飲んだ方がよいとされています。
それは赤、白、ロゼ、スパークリングどのワインでも同じです。
ワインの果実感が年月とともに失われるからです。
一方、熟成に向いているのは、「酸味」と「タンニン」が多く含まれているワインだとか。それらはビンの中でバクテリアとお互いに作用し合い、より複雑な風味をもたらすのです。
しかし、購入したいものに酸味やタンニンが豊富かは見た目にはわかりません。
飲めばわかるといっても開栓してしまえば当然保存はできません。
具体的には、赤ワインではボルドーやブルゴーニュ、ローヌ産のもの、白ワインではリースリング、シュナン・ブランなどの品種を使ったものなどが熟成により風味が良くなるものとされています。
購入の際の参考としてみて下さい。
以上のことを念頭におき、ショップ店員に熟成に向いているか確認すると確実でしょう。
ワインに適した保存方法
熟成させようと思えば、保存場所が気になります。
気温が高ければ熟成が早まってしまい、低ければコルクが収縮して液漏れが起きやすくなります。
地下貯蔵室があれば最適ですが、この日本で地下にワインのための貯蔵室を造ることができる人がどれだけいるでしょうか。
地下がなぜよいかと言えば、
・湿気が保てる
・暗い(日光が当たらない)
・涼しい
・振動が少ない
という4つの条件があるからです。
地下貯蔵室を持てなくても、この条件を満たせばワインをよい状態で保存することができるのです。一番楽なのは保存専門業者に預けることです。地下の貯蔵室やワインセラーを設置するより費用や手間は省けます。
ただ、預ける期間が長くなるほど費用がかさむことは間違いありません。
それ以外では温度調節ができるワインキャビネットを購入するという手もあります。これを使えば、寒い季節も暑い季節もワインにとって快適な温度を保つことが可能です。
しかし、人間が電気代を節約のため、エアコンを入れるのを我慢しているのに、ワインには常に冷暖房完備の最高の環境を与えていることに矛盾を感じない人でなければ難しいでしょう。
熟成されるまで何年も待ち、驚くほど風味が増した自分だけのワインをいつの日か飲めることを人生における最上の喜びと感じるなら、どんなに費用がかかっても適切に保存する価値はあるでしょう。