安いワインでも瓶熟成させてから飲もう!
ワインの熟成には「樽熟成」と「瓶熟成」があります。樽熟成は製造する側の領域なので我々消費者はどうしようもありませんが、瓶熟成には少しだけ関わることができます。
実は昔王族や貴族がワインを飲んでいた時代は、瓶熟成の存在を知りませんでした。瓶の中でも熟成するということが発見されてから、現在のような美味しいワインが飲めるようになったとも言えます。せっかく瓶熟成の恩恵にあずかっているのですから、瓶熟成の基本的なことを少しは勉強していた方がいいでしょう。
瓶熟成は樽熟成と違い、酸素が少ない状態で進みます。瓶詰めされたときに閉じ込められた僅かな酸素や、コルクの呼吸によって入ってくる微量の酸素と、ワインに含まれる酵素や微生物との科学反応によってゆっくり熟成されるのです。
最近はコルクではない瓶も増えてきていますが、瓶の中に酸素がある限りどんなワインでも瓶熟成します。熟成することによって酸味や渋みの角が取れ、まろやかでなめらかな口当たりになりますので、安いデイリーワインでも買ってすぐよりは少し寝かせてからの方がいいでしょう。
熟成といっても何ヶ月も何年もということではなく、4・5日~1ヶ月くらいでいいのです。店頭に並べられたワインは、流通過程での直射日光や高温、振動によって疲れている状態です。それを寝かせることによって落ち着かせ、少しでも熟成させることで美味しくなるのです。
たとえ安いワインでもちょっと我慢して待ってみると、疲れを癒してあげた分だけ美味しさという形で返ってくることでしょう。もちろんワインが熟成ではなく劣化してしまうような、高温な場所や直射日光が当たる場所は禁物です。