ワインは新しい樽で長く熟成させた方がいいの?

ワインを樽で熟成させる期間は、長ければ長いほどいいという訳ではありません。例外はありますが、どれほど長期熟成型のワインでも樽で熟成させる期間は2年程度で、それ以降は瓶に詰めたあとの瓶熟成の段階に移ります。

ワインは、樽材の成分であるタンニンなどを吸収しながらゆっくりと酸化し、熟成していきます。しかし2年以上樽で熟成させると今度はワインの味が悪くなってしまうのです。これがワインの特徴でもあり、これによって若いワインを買って、自分のワインセラーでじっくりと熟成させるという楽しみが生まれるのです。

逆に蒸留酒(スピリッツ)は、瓶詰めされた時点で熟成が止まってしまいます。12年物のウイスキーなどがありますが、これは樽で12年熟成させてから瓶詰めされたということなのです。ですので、いくら30年物や50年物といった高級ウイスキーを頑張って買って大切に保管していても、熟成されないのでコレクション以上の価値はありません。

ワインを熟成させる樽はオークから作られます。オークは樫(カシ)と訳されがちですが、樽の材料としてのオークは楢(ナラ)であり、その産地の良し悪しは専門家によっても意見の違いがあります。

それよりも議論したいのは、熟成させる樽は毎年新しいものにするのかそれともリサイクルするのかということです。毎年全て新樽を使用するワイナリーもあり、そこが長期熟成型の超高級ワインを製造していたりするため、それこそが正しいという「新樽」論を掲げる自称ワイン通の人もいます。

しかし毎年新樽にできるようなお金持ちのワイナリーはそれほど多くありませんので、リサイクルして使うところもあります。ブドウの種類や醸造方法によっては新樽でない方がいいこともあり、新樽とリサイクル樽をどういう割合で使うかというところが、製造者の本領が問われるところでもあるのです。

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