白ワインは樽熟成させるべき?シャブリ樽熟成論争

一般的に樽熟成をさせるのは赤ワインの話で、樽材の成分であるタンニン等を吸収しながら樽の中でゆっくりと眠るように呼吸します。この呼吸とはつまり科学的に言う酸化であり、これによってワインが熟成していくのです。

この樽熟成の早い段階でワインに樽の成分が浸透し香りが移ります。これはバニラ香と言われ、樽で熟成させていないワインとの違いがハッキリ出るところ。

赤ワインだけでなく白ワインでも樽熟成を行うワインがあります。赤ワインと同様発酵槽やタンクでアルコール発酵させたあと樽で熟成するものと、発酵から熟成まで全て樽で行うものがあり、最近は後者の白ワインも増えてきています。

しかしここで、「白ワインは樽熟成をさせるべきか否か」というとても興味深い論争が、ブルゴーニュのシャブリ地区で起こっています。シャブリと言えば「牡蠣にシャブリ」とも言われる、フランスを代表する辛口の白ワインですが、その熟成方法で樽熟成派と樽不要派が対立しているのです。

樽熟成のシャブリこそ正統派のシャブリだという人と、樽を使うことでシャブリの本質を台無しにしてしまうという人がいて、どちらも自分こそが伝統的なシャブリを造っているという信念を持っているため、議論好きなフランス人らしく主張を譲ろうとしません。

どちらが美味しいかという問題は、腕の良し悪しも関係しますが甲乙つけがたく、結局はどちらが好みかということになるでしょう。もし機会があれば、是非両者を飲み比べてみて下さい。きっといい経験になるはずでしょう。

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