樽で造ったワインとステンレスで造ったワインとでは何が違う?

今、世界中で樽熟成の上級ワインが人気を集めています。特にアメリカ人は、樽の香りや味が感じられるワインを好みます。そのこだわりようはいささか行き過ぎではないかと思うほど。

しかし現在では、伝統的な木の発酵槽を使っている蔵元はほとんどおらず、その理由は木の発酵槽の扱いが難しいことにあるようです。今ではごく少数の最高級ワインの蔵元だけが昔ながらの樽を使っています。

そしてほとんどの醸造所で仕込みに使われている発酵槽はステンレス・スチール製で、高級ワインの醸造所でさえステンレス製の発酵槽を使っています。ワインの発酵には清潔さが大切なため、洗いやすいステンレスの方が綺麗に保てますし、何より一番重要な発酵中の酵母菌の働きを左右する温度管理が簡単にできるからです。

ワインに欠かせない熟成は、ワインのタイプによって方法や期間が違ってきます。白ワインの場合は、一般的に発酵も熟成もステンレス製のタンクで行うか短期間樽熟成させる場合が多いのですが、発酵から熟成まで樽で行う特殊で高級なものもあります。

量産型で早く飲むタイプのワインは、発酵後ステンレス製のタンクで3ヶ月~半年、長くても1年程度の熟成で瓶詰めされ、出荷されます。長期間かけて熟成されるワインは、約2年の熟成期間が必要で、美味しいワインにするにはやはり何と言ってもステンレスよりも樫樽で熟成させた方がいいようです。

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