こんな変わったワインの熟成の種類や方法もあります!
ワインだけでなく、いわゆるお酒というものは全般的に「熟成」という過程を経ています。新鮮な生ビールにも短いながら熟成期間があり、ラガー・ビールは酒庫(ラガー)で熟成されたことからそう呼ばれています。
ワインの熟成には樽熟成と瓶熟成があり、特に樽熟成はワイン造りには欠かせない大切な過程です。その仕組みを簡単にご説明しましょう。
収穫されたブドウは細かく砕かれたあと発酵槽に入れられ、酵母によるアルコール発酵が行われ、果汁の糖分がアルコールと炭酸ガスになり、ガスが発散して新酒が出来上がるのです。因みに炭酸ガスと一緒に瓶詰めするとスパークリングワインになります。
この発酵槽はフタのない開放桶が一般的で、空気に触れたままにしておくと酸敗など劣化の可能性があるため、密封された樽や大型タンク(コーティングされたコンクリート製のものやステンレス製のもの)に移して熟成させるのです。
新酒が落ち着く程度の短い熟成で出荷できるような、量産型で比較的早く飲むワインを造るときは、大型タンクで3~4ヶ月~1年程度の熟成で瓶詰めされ、密封冷蔵保存して在庫や出荷量の調整をします。
長期熟成型のワインを造りたいときは、更に樽に移して熟成させるのですが、この樽熟成の手腕がワインの品質や味を左右するとも言われています。また格好つけて高級に見せるためだけに樽熟成をする製造者もいるようです。
この熟成の方法や過程には様々な見解があり、振動させたり音楽を聞かせたり遠赤外線を当てたりすると美味しくなるという報道もされています。科学的な根拠が全くないわけでもないので一概には否定できないものの、頭から受け入れるのも考えものです。