ボージョレのワインの意外な特徴とは
ボージョレ・ヌーヴォーの項でも取り上げたボージョレ地区は、ブルゴーニュ地方の最南部にあり、すぐ隣には美食の街リヨンがあります。
リヨンでは、昔からこの地区のワインが多く消費されています。ある程度の熟成期間を経てからリリースされる「クリュ・ボージョレ」と呼ばれるシリーズは、全部で13のAOCのワインからなっており、ボージョレ地区のワインの魅力をあますことなく伝えてくれます。
このボージョレ地区の赤ワインは、主にガメイというブドウ品種から造られます。
テロワールの違いによって村ごとに味わいが異なりますが、軽やかでフルーティな味わいは共通しており、比較的若いうちに飲まれることが多い品種です。
しかし、クリュ・ボージョレのシリーズの中には、10~20年の長期熟成に耐えるものもあります。とくにモルゴンと呼ばれる銘酒は、この地区でもっとも力強く凝縮感がある赤ワインで、熟成するとピノ・ノワールにも似た風味が現れます。
チェリー、アプリコット・プルーンなどの濃密な果実味があり、力強くリッチな味わいが特徴の長期熟成タイプで、ボージョレの中でも優れたワインと呼ばれています。