ブルゴーニュのワイン王とワイン女王
ブルゴーニュは、西のボルドーと並んで有名なフランスを代表するワイン生産地です。
フランス東部で南北に300kmに渡って広がっており、そのワイン製造の歴史は4世紀にまでさかのぼります。
遙か昔から、修道僧や公爵によって栽培に適した土地が丹念に調査され、その結果、僅かな場所の差がワインの味わいに大きな違いをもたらす事が判明しました。
それを基に「特級畑(グラン・クリュ)」や、「一級畑(プルミエ・クリュ)」などの格付けがなされ、その畑は代々引き継がれています。
その間、相続によって幾度となく分割が繰り返されたため、同じ名前の畑に複数の所有者がいたり、また、たった数畝のみのごく小さな区画も存在します。
このため、ひとりの生産者が単独で所有している畑の事を、特別に「モノポール」という風に呼んだりもするのです。
気候はやや冷涼。内陸にあるため、昼夜の気温差が大きく、夜間は夏でも冷え込むといった特徴をもっています。そのため、強い酸味がポイントとなるシャルドネやピノ・ノワールの栽培に向いています。
西のボルドーが「ワインの女王」と呼ばれている一方で、東のブルゴーニュは「ワインの王」と呼ばれています。とくにシャルドネの白ワイン「コルトン・シャルルマーニュ」は、王の名にふさわしい荘厳な味わいを持っています。
また、ピノ・ノワールの赤ワインは、酸味が強くエレガントでありながら、口当たりはやわらかくしなやかなため、若いうちは女性的な印象もありますが、熟成するとこれが懐の深いジェントルマンのような風格を感じるようになります。
ブルゴーニュもボルドーも、不思議な事に、長期熟成すると香りや味わいに共通点が多くなってゆき、どちらも甲乙つけがたい美酒になります。