ボルドーの格付けの歴史と背景

ワインの名産地ボルドーは、国が定めるAOC格付け以外にも、一部でワインに独自の等級格付けを行っています。

ボルドー以外のブルゴーニュやシャンパーニュでは、ブドウ畑に対して格付けが行われているのに対し、ボルドーではシャトー(ワイナリー)に対して行われています。

ボルドーは、1855年、当時からすでに名声があったメドック地区とソーテルヌ地区のシャトーに関して、最初の公式格付けを制定しました。

商工会議所の主導により、仲買人が評価する地区や、ワインの品質などを基にして作られ、1世紀後の1953年、遅れてグラーヴ地区の格付けがメドックと同様の基準で行われました。

この格付けの訂正があったのは2回、1973年、メドックのシャトー・ムートン・ロートシルトの一級昇格と、グラーヴで制定直後の1959年に一度見直しがあったのみです。

近頃では、価格や人気は、評論家や専門誌の評価に影響される傾向があり、この格付け通りではなくなっていますが、メドックでは、格付けの下にさらに「クリュ・ブルジョワ」と「クリュ・アルティザン」という独自の格付けをし、差別化をすることで前者の価値を高めてきました。

しかし、最近ではクリュ・ブルジョワの数が多すぎる事から、この独自の格付けにも、存続の是非が議論されています。

また、ボルドーのサンテミリオン地区にも独自の格付けがあり、こちらは生産者の主導で10年に1回決められています。

定期的に見直しがあるため、各シャトーが格付けの維持のために、高い水準で品質をキープしなければなりません。これにより、結果的にサンテミリオン地区全体の品質も維持されています。

一方で、ボルドーのポムロール地区では、AOC以外の公式な格付けはまだありません。こういった地区では、専門家の評価や市場での人気がそのまま価格に反映されています。

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