常識的に考えればワインに投資して儲かるはずはありません

一時期ニーサやFXへの投資の宣伝が増えましたね、中には儲けた人もいるでしょうが、大部分はそんなうまい話はないということを学んだだけだと思います。

さて、最近日本で地味に宣伝が増えてきつつあったのが「ワイン投資」です。

ワイン投資というのは、簡単にいえばワインを購入し、時間が経って値段が上がったら売ることで利益を上げるというものです。

つまり、「投資」といいながらもこれは「投機」です。

そもそも「ワイン投資」は欧州ではそれほど珍しいことではなかったといいます。

しかし「ワイン投機」が注目されるようになったのはここ数年、中国人富裕層が投機目的で高級ワインや、甚だしくはワイナリーごと購入するという例が増えてきてからです。

実はこの中国人富裕層によるワイン投機は、フランスでも問題化しています。

日本で宣伝されている「ワイン投資」は、「投機」のほうですね。中国人のワイン投機によるワイン相場の上昇に乗っかろうというものです。

日本にも「ワイン投資ファンド」が登場して、うまい話をもちかけ投資をつのっていました。

しかし、その日本唯一のワイン投資ファンドは、2016年の3月に破綻しています。

まだ37億円弱もの資金が償還されていないといいますから、かつての「円天」事件や「安愚楽牧場」事件と似たような結果に陥ったといえるでしょう。

そもそも、「投資」の本義とは、投資先を支援し、育てることにあります。それによってその投資先が育ち、利ざやが得られるというのはあくまで結果に過ぎません。

ワイン投資を呼びかける宣伝として「需要は増えているが供給量は限られているから、値段は下がるはずがない」というものがあります。詐欺がよく使うやり口です。

確かにフランスの高級ワインであれば供給量は限られます。しかし、それを買い占めたところでそんなに都合よく値上がりするものではありません。

ワイン産地はフランスだけではないし、増えている「需要」は決して高級ワインだけを求めるものではないからです。

高級ワインが高くて買えなくなったらどうするか?普通は別の銘柄を買います。それが続けばいずれ在庫がだぶつき、値下がりするのは当然です。

だって、供給量は限られていてもワインは毎年作られているのですから・・・。

実は中国ではワイン投機と期を同じくして、にんにくへの投機が流行ったことがあります。

にんにくは保存が効き、そして必需品であるために、大量に買い占めれば値段が上がって儲かるとして、中国人がこぞってにんにくを買い占めたのです。

そのためにんにくの値段は一時期7倍までに上がりました。しかし、ほどなく値崩れして破産者を大量に出しています。

ワイン投機もにんにく投機と同じギャンブルに過ぎません。ギャンブルで儲かるのは胴元だけです。

日本のワイン投資ファンドが潰れたのは、真の胴元ではなかったからでしょう。

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