ワインと食に関する情報は都市伝説?

ワインについては、「常識」とされる「決まりごと」を沢山耳にしませんか?

・赤ワインは室温で頂くのが一番いい
・お肉には赤ワインを、お魚には白ワインを合わせるのが間違いない組みあわせ

といった教えは、どなたでも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

これらの教えは、完全に間違っているわけではないのですが、それらの背景を差し置いて、言葉だけが先行してしまっているような印象を受けます。もし、額面通りの受け止め方をしている方がいらっしゃったら、少し注意して頂きたいことがあります。

まず、「赤ワインは室温で頂く」という教え。この場合の「室温」とは、「ヨーロッパになる石造りの家」の室温を対象にした表現です。なので、私たち日本で生活している者にとっての「室温」と比較すると、少なくとも数度は低くなります。

夏の暑い日に「赤ワインはやっぱり室温で飲むに限るね」と物知り顔でワインを頂いている方がいらっしゃいますが、赤ワインの美味しさの秘訣ともいえる渋味成分「タンニン」は日本の夏の室温で頂くには、ぬるすぎて飲めたものではありません。もちろん、冷やし過ぎにも不向きですが、ぬるすぎるのもだめなのです。

また、「神話」のごとく語り継がれる「お肉には赤ワイン、お魚には白ワイン」については、「肉か魚か」ということが重要なのではないのです。本来は、その食材が鶏肉やウサギ肉などの「白身肉」なのか、牛や羊などの「赤身肉」なのかということがよほど重要です。

例えば「鶏肉のホワイトソース煮」であれば、お肉料理ではありますがコクのある白ワインで頂きたいものです。また、お魚料理についても、調理方法やソースの色に合わせてワインを選ぶと相性のいいワインが見つかります。例えば、フレッシュなトマトソースの魚料理の場合は、少し軽めの赤ワインがピッタリと合います。

世間で流れている「聞きかじっただけの情報」に流されてワインを選ぶのではなく、自分の五感を大切にして食材やお料理の色を意識してワインを選んでみてください。きっと少しずつでも相性ピッタリのワインを選ぶ目が養われていくことでしょう。

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