お袋の味、野菜の煮しめにワイン?
五目煮や筑前煮、季節のたけのこや里芋の煮物、それらには一見ワインよりも日本酒が浮かびますが、いえいえとんでもない、ワインは日本の昔ながらのお袋の味にも合うのです。
根菜類が持つ、大地の馥郁とした芳香やミネラルからの旨みに合うのは、フランスのシャンパーニュ地方で作られるワインが、なんといってもおすすめです。
煮物にシャンパン?と驚かれる方もいると思いますが、シャンパンの特徴のひとつ、あの金属的なシアーでシャープな芳香が、根野菜を煮た時の香りととても共通しているのです。
れんこんやごぼうなど、土の香りが強い根野菜を、料理酒に白ワインを少々入れて煮たものを、欧米人に振舞うと、シャンパンとの相性の良さに感動されます。パーティーでの、ちょっとしたサプライズといった感じで、話題も盛り上がります。百聞は一見に如かずで、日本のお袋の味の奥深さを説明するのが容易くなるので、食文化の共通性を見出すきっかけともなっています。