ワインが余り気味な人は自家製ワインビネガーを作ってみては?
一時期バルサミコ酢が流行ったことがあります。バルサミコ酢は、酢とはいってもあまり酸味がなく、濃厚で、イタリア料理のソースに使うだけでなく、例えば筆者は水餃子のつけダレに使ったりします。
意外と知られていないのが、バルサミコ酢は「ワインビネガー」ではないとうこと。
バルサミコ酢もワインビネガーも、同じブドウが原料となる酢ではありますが、バルサミコ酢がブドウ果汁を煮詰めて直接酢として醸造するのに対し、ワインビネガーは、ブドウ果汁を一度アルコール発酵させてワインにし、さらに酢にするという違いがあります。
バルサミコ酢とワインビネガーを比べると、ワインビネガーのほうが酸味が強く、ワインビネガーは、その酸味を利用してドレッシング、あるいは肉料理のソースにしたりします。
ワインがワインビネガーになるのは、酢酸菌によってアルコール分が酸化発酵するため。酢酸菌は空気中に普通に存在するため、蓋をあけて放置しておいたワインが勝手にビネガーになってしまうこともあります。
ただ、結果的にビネガーになってしまったというのは別として、余って味が落ちてしまったワインをビネガーにするために放置するのはあまりお勧めできません。酢酸菌以外の雑菌によって腐敗することもありえるからです。
ワインビネガーのメーカーも、別にワインを放置して酢にしているわけではなく、酢酸菌を添加して酢酸発酵に好適な環境を保って作っています。
イギリスではカルト・セラミックス社がビネガー・ヴァースというワインビネガーを自家製する容器を売り出しました。これは六角柱の白い陶器の容器で、蓋は発酵に必要な酸素を通すために密閉されず、かつほこりが侵入しないようになっています。
もちろん酢酸菌もセットでついているので、運に頼らず、ワインを腐らせることもなく酢にすることができます。ビネガー・ヴァースはまだ日本では発売されていないようですが、通販で購入することができます。
ワインはよく飲むけれど余らせ気味という人は、悪くなる前にビネガーにしてしまうというのもいいかもしれません。