シャンパンはスパークリングワインだけど、スパークリングワインはシャンパンとは限りません!?
最近では日本でも様々なスパークリングワインの銘柄が選べるようになってきていますが、昭和のころには発泡ワインはシャンパン一択でした。或いは、シャンパンを「ワイン」「ウィスキー」のようなお酒の大きなカテゴリーの名称だと勘違いして、他のスパークリングワインもいっしょくたにシャンパンと呼んでいたという可能性もあります。
あるネット調査会社が行ったアンケートによると、シャンパンとスパークリングワインの違いがわからないと答えた人は20代から60代まで平均して40%以上でした。
違いも何も、シャンパンはスパークリングワインの中の一つの種類に過ぎません。フランス北部のシャンパーニュ地方でつくられたスパークリングワインの総称がシャンパン(シャンパーニュ)です。
シャンパンは17世紀後半のベネディクト教会の修道士ドン・ペリニヨンが確立した「瓶内二次発酵」により生まれました。これは、ワインの発酵の途中で瓶詰めして、瓶の中でも発酵させ、その時に生まれた炭酸ガスがワインの中に溶け込んでスパークリングワインになるというものです。
瓶内二次発酵はドン・ペリニヨンが自ら研究した結果として生まれたとも、たまたま発酵途中のワインを早めに瓶詰めしたら、偶然スパークリングワインになったとも言われています。今となっては真実はわかりませんが、ドン・ペリニヨンが関わることで生まれたということだけは確かです。
シャンパンの誕生にはもう一つ重要な要素があります。それはイギリスで発明されたという「耐圧瓶」の存在。瓶の中で発酵が続けば当然瓶内の圧力は高まります。それに耐えられる強度の瓶がなければシャンパンの生産は不可能でした。
シャンパンの代表的銘柄「ドン・ペリニヨン」は、もちろんドン・ペリニヨン修道士にちなみます。現在では当たり前になっているコルク栓も、ドン・ペリニヨンが始めたという説もあります。
瓶内二次発酵はシャンパン式とも呼ばれており、その意味ではシャンパンがスパークリングワインの中で特別な存在であることは確かです。
シャンパンを名乗るためには、
・シャンパーニュ=アルデンヌ地域で生産された7つのピノ系ブドウ品種のみが原料であること
・瓶内二次発酵により作られ、封緘後15ヶ月以上熟成させていること
という条件を満たす必要があります。
現在スパークリングワインには、シャンパン式の他に密閉耐圧タンクで二次発酵させる方式と、普通につくったワインに炭酸ガスを添加するという方法があります。
どんな作り方のものにせよ、瓶を振って吹き出させるというようなもったいないことはするべきではないでしょう。そういうことをしたいならシャンメリーでも使えばいいんじゃないでしょうか。