シャンパンにまつわるエトセトラ。「シャンパン風ワイン」だって負けてないかも?
シャンパンというと、何をイメージしますか?
F1の表彰式で選手同士がかけ合っているお酒、高級レストランでほっそりしたグラスで乾杯するお酒、結婚式でのシャンパンタワー・・・と、ちょっと特別なイメージがあるかもしれません。
どことなく庶民には手の出しづらい、お祝い事が似合うお酒といったところでしょうか。
発泡しているクリアな色のお酒、ということは知られていると思います。
そして、シャンパンがれっきとしたワインの一種であることはご存知でしょうか。「シャンパン」という名前が一人歩きして、お酒の種類の一つであるように思われているところもあります。
では、そんなつかみどころのないシャンパンが一体どんなものか、探ってみましょう。
シャンパンとは?
フランスにシャンパーニュ地方というところがあります。
そこで生産されたシャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエのみを使った発泡ワインをシャンパンと呼びます。
国際的にそのブランドを保護するため、シャンパーニュ地方で生産されたことが絶対条件である他に、決められた発酵方法や熟成期間をクリアしないと「シャンパン」と呼ぶことができないのです。
ここが他のスパークリングワインとの違いです。
もしもシャンパンと遜色のない味のスパークリングワインが存在しても、それがシャンパーニュ地方産でなかったり、規定の条件を満たしていなかったりしたらシャンパンとは呼べません。
なぜ発泡しているの?
発泡していることが、一般のワインのイメージから遠ざけてしまう理由のひとつかもしれません。
もちろん、炭酸水で割っているわけではありません。
出来上がったワインを一旦瓶詰めし、そこに糖分や酵母を添加することによる「瓶内二次発酵」という製法で炭酸ガスを発生させているのです。
これは「シャンパン製法」と呼ばれることもあります。
シャンパングラスはなぜほっそりしている?
シャンパングラスというと細くて背が高いグラスをイメージするのではないでしょうか。これはフルートタイプと呼ばれ、口が狭いために炭酸が抜けにくく、風味を長持ちさせられる形なのです。
グラス内に立ちのぼる無数の泡を楽しむこともできます。
その他にはソーサータイプという平らで口が広いものもあります。今はフルートタイプが主流ですから、ソーサータイプを見かけるのは「シャンパンタワー」くらいでしょうか。
開栓時の注意は?
お祝い事で「ポン!」と開栓して中からジュワーっと溢れ出す・・・。
華やかなイメージですが、それはあくまでもパフォーマンス。
毎回そんな開け方をしていたら、人や電球などにぶつかって危ない上、溢れた分がもったいないですね。通常は、「シュッ」っと静かに気泡が漏れる音がする程度に開けるのがマナーなのです。
その音は、「淑女のため息」と形容されます。とても上品な表現ですね。コルクを強く押さえながら静かに開けるようにしましょう。
シャンパンのようなスパークリングワインの見つけ方
ジャンパンでなくともおいしいスパークリングワインは主にヨーロッパに存在します。
生産地などが「シャンパン」になり得る条件を満たしていなくても、「シャンパン製法」と記されていればシャンパンと同じ品質のスパークリングワインである場合があります。
シャンパンより安価な「シャンパン製法」ワインを見つけることができたらお買い得かも知れません。
また、クレマン(フランス)、ゼクト(ドイツ)、カヴァ(スペイン)、スプマンテ(イタリア)とラベルに表示があるものが、ヨーロッパの代表的なスパークリングワインです。
なかなか手が届かないシャンパンですが、それは特別な日に楽しむことにして、普段は上記のスパークリングワインで楽しむというのもひとつの方法ですね。